効果が感じられないと思ったら見直そう シャドーイングの実践法

「シャドーイングしてるけど、英語力が伸びてる感じがしない…」
そんなふうに感じていませんか?
その伸びにくいと感じる背景には、“やり方”にちょっとした見落としがあるかもしれません。
例えば
- 聞き取れなかった理由をスルーしてる
- 録音して自分の声をチェックしてない
- 意味をちゃんと意識せず、ひたすら繰り返してる
こうした状態では、せっかく時間をかけていても、なかなか手応えを感じづらいものです。
でもご安心ください!
少しの工夫でシャドーイングは
「聞こえるようになる」「話せるようになる」実感が
得られるトレーニングに変わっていきます。
この記事を読むとわかること
・シャドーイングの本当の目的と効果が出ない理由
・教材の選び方と、自分に合った難易度の見極め方
・成果につながる6つの実践ステップ
・無理なく続けるための習慣化のコツ
「なんとなくやっている」状態から「効果を実感できる」状態へ。
ぜひ参考にしてみてください。
シャドーイングの本当の目的とは?
シャドーイングは「英語の音を真似する」だけの練習ではありません。
本来の目的は、
聞いた英語をすぐに理解し、自分の言葉としてスッと口から出せるようにすることです。
つまり、「聞く」「理解する」「話す」の3つを同時に鍛える練習。
正しいやり方で取り組めば、以下のような力が身についていきます。
- ネイティブのスピードや発音に慣れる(リスニング)
- 英語を英語のまま理解できる(理解処理)
- 詰まらずに自然に英語が出てくる(スピーキング)
これらは「意味を持って音を再現する」
からこそ鍛えられるスキルです。
シャドーイングはどんな人に効果的?
シャドーイングが効果を発揮するのは
英語の基礎力がある程度身についている方です。
たとえば、こんな課題を感じていませんか?
「英語のスピードや発音についていけない」
「単語はわかるのに、文になると意味が取れない」
「英語の会議で単語が聞こえてはいるけど、意味が頭に入ってこない」
「とっさのひと言が出てこない」
これらが当てはまる方にとって
シャドーイングは「音を意味に変える」訓練として大きな効果があります。
効果が出にくい、よくあるパターン
「シャドーイング毎日やっているのに伸びている気がしない…」
独学で勉強されている方でこのような声は決して珍しくありません。
原因の多くは、次のようなやり方にあります。
・ただ真似てるだけで、意味は意識してない
・聞き取れなかった箇所を分析していない
・自分の音声を録音せず、改善点に気づけない
・さらっと終わらせて、定着する前に次へ進んでしまう
特に見落としがちなのが
「聞き取れなかった箇所への意識」です。
聞こえたところを何度も繰り返すより、苦手な箇所にフォーカスする方が圧倒的に効率的。
「つまずいたところこそ、伸びしろ」という視点で取り組むのがおススメです。
シャドーイングのやり方【5ステップ】
教材選びはシャドーイングの成否を左右すると言っても過言ではありません。
以下の2点を意識して選んでみてください
・音声だけで8割ほど理解できる
→難しすぎても簡単すぎても効果が下がります。
「ちょっと背伸び」くらいがちょうど良いレベル感
・自分が興味を持てる内容
→TED、YouTube、NHKラジオ英会話、映画・ドラマ等、「こういう英語を話せたらいいな」と思えるもの
練習時間の目安
1回の音源は30秒〜1分程度に区切るのがおススメです。
短くすることで集中力も持続しやすく、反復もしやすくなります。
筆者の経験では、1分前後の音源で1回あたり30〜40分の練習時間が最も継続しやすく効率的です。
▶ STEP 1:音声を聞いて、聞き取れなかった箇所を分析
なぜその箇所が聞き取れなかったか?
以下の観点から原因を探ってみましょう。
- 音が消えてる?
- 音がほとんど聞こえてない?
- 単語がつながってた?
- そもそも知らない単語・フレーズだった?
- アクセントが強かった?早すぎた?
スクリプトに印をつけて、聞き取れなかった理由を明確にすると、効率的な伸び方につながります。
下記の記事では、ディクテーションのやり方とコツについて詳しく紹介しています。
興味がある方は、こちらの記事もお読みください。

▶ STEP 2: スクリプトを読んで、意味を完璧に理解する
このステップが不十分だと、「なんとなく音をなぞるだけ」の状態になりがちです。
「意味を理解する」ことは、記憶への定着や発話の自然さに直結しますので
以下の点をしっかり確認しましょう。
・単語や表現の意味は理解できているか?
・構文・文法を説明できるレベルで理解できているか?
意味の理解がきちんとできているかどうかは
スラッシュリーディングやスラッシュリスニングを使って、意味の塊で訳出してみるとわかります。
▶ STEP 3:再生速度を調整して、シャドイング開始
速くて「口がまわらない…」という場合は無理せず再生速度を落としましょう。
慣れないうちは、0.5〜0.75倍速で始めるのがおススメです。
それでも難しい場合は、一文ごとに止めてリピートしたり、スクリプトを見ながら取り組んでみてください。
ここでは「速く言うこと」よりも、「正確に言えること」を優先しましょう。
▶ STEP 4:録音して自分の音声を確認する
1倍速でできるようになったら、次は録音です。
最初は自分の声を聞くのに抵抗があるかもしれませんが、大丈夫です!慣れます。
音源と聞き比べて以下の点をチェックして
改善点が見つかれば、そこを重点的に練習していきましょう。
・発音の抜けや曖昧さはないか?
・音のつながりやリズムは自然か?
・聞き取れなかった箇所が聞こえるようになったか?スムーズに言えているか?
▶ STEP 5: 「なりきりシャドイング」で仕上げる
最後は、意味と感情を込めて、自分が話しているつもりでシャドイングします。
その場面を想像して、自分がその発話者になったつもりで発話する(=なりきる)ことで
言葉の処理がより深く・定着しやすくなり、スピーキング力アップにつながります。
この「なりきり」には、脳のミラーニューロンという脳の神経細胞が関係していて
なりきって練習することで、脳があたかもそれを“自分の経験”として動作と記憶をリンクさせる効果がある
と言われています。
子供が大人の真似をして言葉を覚えていくのと同じ仕組みですね。
スピーキング力を上げたい人はここをしっかり意識してください!
次の音源へ進むタイミング
以下3つができるようになったら、次の音源に進んでOKです!
無理なく続けるために:習慣化のコツ
シャドーイングを“継続するコツ”は、がんばりすぎないことです。
- 最初は1日10〜15分から
- 慣れてきたら30分を目安に
- シャドーイングする時間と場所を決めておく
「今日はここまでやる」と区切って取り組むことで、無理なく習慣化できます。
まとめ
シャドーイングは、「ただの音真似」ではなく
意味を理解しながら口に出すことで、リスニングのみならずスピーキングにもつなげられる学習法です。
その効果を最大限に引き出すためには、以下のステップをしっかり踏むことが大切です。
- 音源を短く区切る
- 聞き取れなかった部分を分析する
- 意味を深く理解する
- 正確性を意識して練習する
- 録音して振り返る
- 意味と感情を込めて「なりきる」
最後に
「頑張っているのに、手応えがない」
そんなモヤモヤ感のある時こそ、やり方を見直す絶好のタイミングです。
本記事でご紹介したステップを、ぜひご自身の学習に取り入れてみてください。
きっと、これまでとは違った手応えを感じられるはずです。
もし「このやり方、自分の目的に合ってるかな?」「もっと効率よく進める方法ないかな?」
と感じた方はお気軽にご相談ください。
独学だけでは気づきにくいポイントが、スッとクリアになるかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
<参考>
Rizzolatti, G., Arbib, M., (1998), 1998 May;21(5):188-94., doi: 10.1016/s0166-2236(98)01260-0
Pulvermüller, F., (2005), 2005 Jul;6(7):576-82., doi: 10.1038/nrn1706.
